消化管

食道がんの症状

食道がんの特徴

食道がんの特徴は以下になります。

  • 扁平上皮がんが約9割
  • 男性の患者が圧倒的に多い
  • 重要な危険因子は喫煙と大量飲酒
  • 早期の食道がんはほとんど症状がない
  • 周囲臓器への浸潤や遠隔転移が起こりやすく、予後不良

食道がんとは

食道は、咽頭と胃の間をつなぐ管状の臓器です。食物を胃に送る働きをしています。太さ約2~3センチ、長さ25~30センチ、厚さ約4ミリです。食道の壁は内腔側から、粘膜、粘膜下層、固有筋層、外膜という4つの層で成り立っています。胃や大腸と違って、漿膜(しょうまく)と呼ばれる外側の丈夫な膜はありません(図1)。

図1 食道の位置と食道壁の構造

(国立がん研究センターがん対策情報センター「食道がん」2012年3月改訂第2版)

食道がんのほとんどは、粘膜の表面(粘膜上皮)から発生します。粘膜上皮は主に扁平上皮細胞という細胞で構成されています。わが国の食道がんは、この扁平上皮細胞ががん化した扁平上皮がんというタイプが約9割を占めています。がんは粘膜から粘膜下層、固有筋層へと広がっていきます。さらに進むと、外膜から出て、周辺にある気管・気管支、肺、大動脈などに広がります(浸潤)。周囲の血管を通じて肝臓、肺、骨などに、またリンパ管を通じて首や腹部のリンパ節に転移することもあります。転移ではなく、食道がんと他のがん、特に胃がんや咽頭がんが同時または時を違えて発生する他臓器重複がんが約20%に認められます。

わが国の全国調査(2011年)では、食道がんの男女比は6対1で、男性に圧倒的に多く、年齢は60~70歳台が中心になります。

危険因子

食道がん、特に扁平上皮がんの重要な危険因子は喫煙と大量飲酒です。なかでも喫煙の影響は大きく、喫煙者が食道がんになるリスクは非喫煙者の約3倍に及びます。熱い飲食物もリスクを高めます。

症状

食道がんの主な症状は、食べ物がつかえる感じ、熱い飲食物がしみる、喉の違和感などです。進行すると、胸や背中が痛む、血の混じったたん、声がかすれるなどの症状が見られることがあります。

早期の場合はほとんど症状がありません。この時点で検診や人間ドックを受け、偶然食道がんが発見された人が2割近く見られます。こうした段階で治療を開始すると、良好な予後が得られる可能性が高くなります。普段から検診や人間ドックを定期的に受けることが望まれます。

診断

症状から食道がんが疑われる場合は、バリウムを飲むX線造影検査や「胃カメラ」と呼ばれる長い管を口または鼻から入れる内視鏡検査を行います。さらに、食道に色素を散布して調べる色素内視鏡検査、内視鏡で観察するとともに消化管の内腔側から超音波を当てて調べる超音波内視鏡検査(EUS)を追加することもあります。周囲の臓器への浸潤や転移を調べるために、CT、MRIといった画像検査も必要になります。

これらの検査により、がんの広がり(T因子)、リンパ節転移の程度(N因子)、離れた臓器への転移(遠隔転移)の有無(M因子)がわかります。そして、これら3因子の組み合わせにより、進行の程度(病期、ステージ)を評価します。IV期が最も進行した状態です。


主な参考資料

  • 財団法人がん研究振興財団「がんの統計’14」
  • 小林正伸著「やさしい腫瘍学」南江堂、2014年
  • 国立がん研究センターがん対策情報センター「各種がん102食道がん-受診から診断、治療、経過観察への流れ」2012年3月改訂第2版
  • 国立がん研究センターがん対策情報センター「患者必携 食道がんの療養情報」学研メディカル秀潤社
  • 日本食道学会編「食道癌取扱い規約2007年4月第10版補訂版」金原出版、2007年
  • 日本食道学会編「食道癌診断・治療ガイドライン2012年4月版」金原出版、2012年
  • 国立がん研究センターがん対策情報センター「各種がん101 胃がん-受診から診断、治療、経過観察への流れ」2015年2月改訂第3版
  • 日本胃癌学会編「胃癌治療ガイドライン医師用2014年5月改訂第4版」金原出版、2014年
  • 大腸癌研究会編「大腸癌治療ガイドライン医師用2014年版」金原出版、2014年
  • 大腸癌研究会編「患者さんのための大腸癌治療ガイドライン2014年版」金原出版、2014年
  • 国立がん研究センターがん対策情報センター「各種がん103 大腸がん-受診から診断、治療、経過観察への流れ」2012年3月改訂第2版

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