消化管

大腸がんの治療

大腸がんの治療法には、内視鏡治療、手術(外科治療)、化学療法、放射線療法などがあります。内視鏡治療は、ポリペクトミーや内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離(はくり)術(ESD)といった方法で行います。ポリペクトミーはキノコ型の茎を持ったポリープに行う治療で、ポリープの茎にスネアという金属製の輪をかけ、高周波電流を流して焼き切ります(図1)。

図1.ポリペクトミーの進め方

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(患者さんのための大腸癌治療ガイドライン2014年版)

奨められる治療法は、がんの病期、初発か再発か、全身の健康状態などによって決まります。病期が0期~III期の場合は、内視鏡治療または手術を行います。大腸がんの病期についてはこちらを参照してください。がんが粘膜内にとどまっている0期(Tisがん)、または粘膜下層まで浸潤しているI期(T1がん)で軽度浸潤の場合は内視鏡治療を行います(図2)。内視鏡で採取したがんがTisがんと確認されれば経過観察、リンパ節転移の危険性が高いと考えられる場合には手術を追加します。手術では、がんが広がっている可能性のある腸管部分とリンパ節を切除します(図3)。 

図2.大腸がん0期~III期の治療方針

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(患者さんのための大腸癌治療ガイドライン2014年版)
図3.リンパ節郭清の範囲(D1、D2、D3郭清)

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(患者さんのための大腸癌治療ガイドライン2014年版)

一方、すでに遠隔転移があるIV期に対しては、大腸がん(原発巣)と転移がん(転移巣)の両方を切除できる場合はそれぞれの切除を行います。転移巣が切除可能でも原発巣を切除できない場合、あるいは原発巣、転移巣とも切除不能の場合は、化学療法、放射線療法など切除以外の方法や、原発巣による症状を軽減する手術(原発巣緩和手術)を選びます。転移巣を切除できず、原発巣のみ切除可能な場合は、大出血、高度貧血、穿孔、狭窄など、原発巣による症状があれば原発巣だけ切除し、転移巣には切除以外の対応を行います(図4)。

図4.大腸がんIV期の治療方針

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(患者さんのための大腸癌治療ガイドライン2014年版)

化学療法では、5-FUを基本の薬とし、いくつかの抗がん剤を組み合わせて用います。抗がん剤の組み合わせには、FOLFOX(フォルフォックス)療法、FOLFIRI(フォルフィリ)療法、CapeOX(カペオックス)療法、SOX(ソックス)療法、IRIS(アイリス)療法などがあります。最近では、分子標的製剤と呼ばれる抗がん剤である注射薬のベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブや内服薬のレゴラフェニブが登場し、単独または他の抗がん剤と組み合わせて使用されることが多くなっています。

なお、大腸がんは手術を行えた場合でも、術後の再発が20%近くで認められます。このため、再発の可能性が高い場合には、術後に補助化学療法を行います。

大腸がんの補助化学療法

  • 内服でのカペシタビン
  • 内服でのUFT(テガフール・ウラシル配合剤)+ロイコボリン
  • 注射または持続静注投与による5-FU(フルオロウラシル)+ロイコボリン
  • 持続静脈投与による5-FU+ロイコボリン+オキサリプラチン
  • カペシタビンの内服とオキサリプラチンの持続静脈投与(以上のいずれかの方法を6か月間行う)

大腸がんの再発は約80%が術後3年以内、95%以上が5年以内に発見されています。0期(Tisがん)やリンパ節転移のないT1がんは定期的な検査の必要はあまりありませんが、リンパ節転移のないT2がん、II期、III期の場合には、術後3年間は3か月に1回、術後4年目、5年目は6か月に1回の検査が奨められています。

主な参考資料

  • 財団法人がん研究振興財団「がんの統計’14」
  • 小林正伸著「やさしい腫瘍学」南江堂、2014年
  • 国立がん研究センターがん対策情報センター「各種がん102食道がん-受診から診断、治療、経過観察への流れ」2012年3月改訂第2版
  • 国立がん研究センターがん対策情報センター「患者必携 食道がんの療養情報」学研メディカル秀潤社
  • 日本食道学会編「食道癌取扱い規約2007年4月第10版補訂版」金原出版、2007年
  • 日本食道学会編「食道癌診断・治療ガイドライン2012年4月版」金原出版、2012年
  • 国立がん研究センターがん対策情報センター「各種がん101 胃がん-受診から診断、治療、経過観察への流れ」2015年2月改訂第3版
  • 日本胃癌学会編「胃癌治療ガイドライン医師用2014年5月改訂第4版」金原出版、2014年
  • 大腸癌研究会編「大腸癌治療ガイドライン医師用2014年版」金原出版、2014年
  • 大腸癌研究会編「患者さんのための大腸癌治療ガイドライン2014年版」金原出版、2014年
  • 国立がん研究センターがん対策情報センター「各種がん103 大腸がん-受診から診断、治療、経過観察への流れ」2012年3月改訂第2版

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