患者だより

第24回 桜の時季に思うこと 来年も桜を愛でるために |2017.03.29掲載

日本人にとって、桜はいつの時代も特別な存在です。桜を眺める伝統は1000年以上前からあったといわれており、農民が豊作を祈願して宴を開いたのが花見の始まりであるという節が有力なようです。数週間前までは枯れ木以外のなにものでもなかった枝に、突然淡いピンク色の花びらが現れ、数日間で樹皮がピンクに染まります。たった1週間ほどでピンク色の樹木が徐々に新緑の緑に覆われてゆくのです。

春の象徴である桜は、希望を表す「生命の息吹」と「新緑」を体現していると考えます。冬のあいだは気にも留めなかった桜の樹木を、毎日今か今かと見上げるこの時季は、人間の生き方と過ごし方に心をはせる時季でもあり、今回はそれにちなんだメッセージを2つ、お送りします。

ひとつめは、こうした生命の息吹の象徴である桜を鑑賞し、そっと樹木に触れることで、自分にエネルギーを送り込めるということです。がんを患っている方や、年齢とともに心身の不調を実感するようになった方も、過ごしやすい季節には生き生きとした自分を発見することが増えるでしょう。冬の桜樹のようにひっそりと淡々と自分と向き合う時期もありますが、内に蓄えたエネルギーが自然とほころぶような季節には、素直に自分を解き放って自然が発する命の息吹を感じてみてください。そうした温かな気持ちを家族や大切な人と分かち合いながら、桜を愛で、また来年も桜に出会えるまで頑張ろうと前向きな気持ちに満たされてほしいのです。人間より長く生を受け、人の営みを見守ってきた樹木もいます。そうした春の樹木の象徴である桜にぜひエネルギーをもらいたい、もらっていただきたいと思います。

もうひとつは、生命の息吹の象徴である桜の季節が終わったら、春の健康習慣として健康診断を受けていただきたいということです。勤務先やお住まいの市町村では、健康診断を促す案内が春か秋に行われていると思います。個人的な考えですが、秋よりも春の健康診断を受けるほうが、その結果、治療に臨む必要が発生した場合も、自分の治療に前向きに取り組めるように感じるのです。自然界に繁栄してゆくエネルギーが満ちているからでしょうか。

私は、最初のがんが見つかったのが春の健康診断の二次検査でした。その後の細胞検査や画像検査などを行うために暑い夏も病院に通ったのですが、濃い緑のうっそうとした樹木や、暑さを増すかのように咲くひまわりの姿を見ていると、病気が見つかったことを嘆く気にもなれず、とにかく気力・体力でこの検査を乗り越えて手術にたどりつかなくては、と毎日必死に前進していました。

がん対策の中で日本が苦労している点は、がん検診受診率の低さです。平成25年度に実施された「国民生活基礎調査」によると、日本のがん検診受診率は、男性で4割、女性で3~4割ほどです(*)。国際比較をみても、日本の乳がん検診、子宮頸がん検診の受診率は経済協力開発機構(OECD)加盟国30カ国の中でも最低レベルに位置します。

*男性は胃がん、肺がん、大腸がんの検診受診率、女性は胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がんの検診受診率

検診で早期に見つかれば完治する可能性が高いがんが増えている中、がん検診を受けないことは機会の損失だと感じます。がん検診は不要だと言う医師もいるようですが、がん検診(および健康診断)は無駄使いではなく自己投資です。どうもすっきりしない、不調がある、と感じるときには特にそうで、ご自身の納得のためにも健康診断という投資をしてみてください。

検診は怖い、面倒くさい、落ち込んだらどうしようと悩む気持ちは脇において、生命のエネルギーにあふれている時季にがん検診や人間ドックを受けていただきたいと思います。また来年も桜を愛でられる自分であってほしいのです。

※このウェブサイトの情報は著作権法により保護されており、複製、改変、転載等の行為を禁止します。

本サイトはがん免疫療法の開発企業テラ株式会社(JASDAQ上場)が提供しています。

テラの免疫療法についてのお問い合わせはこちら
03-5937-2111
WEBからのご質問はこちら
TOP