女性

乳がんの症状

現状

乳房には、母乳を作る「小葉」と母乳を乳頭まで運ぶ「乳管」があり、これらを合わせて乳腺組織といいます。乳がんはこの乳腺組織にできるがんです(図1)。

乳がんは、女性がかかるがんの中で最も多く、1年間に約7万2000人の方が新たに発症しています(国立がん研究センターがん対策情報センター 2011年)。年齢的には、30歳代から増え始め、40~50歳代でピークとなります。

増加の一途をたどっている乳がんですが、一方で、生存率の高いがんでもあります。国立がん研究センターのデータによると、乳がんの5年生存率は約90%に上っています(2003~2005年、図2)。このように、経過が良好な場合も多いことが乳がんの大きな特徴です。

図1 乳房の仕組みとがんの発生部位

women01

(スーパー図解・乳がん 監修・齊藤光江 法研 2010年7月14日発行より引用)
図2 部位別5年相対生存率

women02

(最新がん統計:がん登録統計:国立がん研究センターがん情報対策センターより引用)

症状

乳がんの症状の中で最も多く、しかも自分で気づきやすいのは「しこり」です。乳がんの多くは、このしこりが発見のきっかけとなっています。
乳房のしこりは、乳線症など乳がん以外の良性の病気でもみられますが、乳がんのしこりは「ストーニー・ファーム」(石のような硬さ)といわれ、硬い、ゴツゴツしている、あまり動かない、といった傾向を示します。

しこり以外では、
①乳首から赤や茶褐色の分泌物がある、
②乳房にえくぼのようなくぼみがある、
③皮膚が赤くなる、
④痛み、
などの症状が、チェックポイントになります。とくに、皮膚のくぼみは「えくぼサイン」といわれ、これが出ていると乳がんの可能性が高くなります。

乳がんの原因(危険因子)

これまでの多くの研究から、次のような女性は、乳がんにかかりやすいことが明らかになっています。

  1. 初潮が早い
  2. 初産年齢が高い(高齢出産)
  3. 出産回数が少ない
  4. 閉経が遅い
  5. 閉経後の肥満
  6. 更年期障害の治療のためホルモン補充療法を受けた
  7. 家族(とくに母、姉妹)に乳がんになった人がいる

これらの多くには、女性ホルモンである「エストロゲン」が関係しています。エストロゲンは女性にとって大切なホルモンですが、一方でがん細胞の成長を助ける働きもします。このため、エストロゲンにさらされる期間が長いほど、乳がんのリスクが高まると考えられています。

自己チェックと乳がん検診

乳がんは、自分で乳房を見たり、触ったりして見つけることができるがんです。これが、自覚症状が出るまで気づきにくい、他の内臓がんとの大きな違いです。事実、乳がんの半数以上は、自己チェックが発見のきっかけとなっています。

自己チェックのポイントは、
①左右の乳房に違う感じはないか、
②はれているところはないか、
③しこりはないか、
④硬くなっている部分はないか――などです。

自己チェックとともに大切なのは、乳がん検診です。市区町村で実施されており、みなさんのお手元にも通知が届いているはずです。また、企業でも健康診断に乳がん検診を加えるところが増えています。

検査と診断

乳房のしこりや変化に気づいたり、検診で乳がんが疑わしいと指摘されたりした場合は、乳腺外来、乳腺外科、乳腺内科、乳腺センター、ブレストセンター、ブレストクリニックなどを掲げる医療機関を受診し、検査を受けるようにしましょう。

乳がんを発見するための検査
視診、触診

視診は、乳房の形、左右の違い、皮膚の変化などを目で観察します。また触診では、しこりの性質(硬さ、大きさ、動き方)を調べます。わきの下のリンパ節がはれていないかどうかもチェックします。しかし、視診・触診だけでは乳がんかどうかの診断はつきませんので、その後必ず、マンモグラフィ、超音波検査などの画像検査が行われます。

マンモグラフィ

マンモグラフィは、乳房のX線撮影のことです。圧迫板という薄い板で、乳房をはさみ、押し広げて撮影します。この検査では、外から触ってもわからないごく小さながんや、がんによって生じる微細な石灰化も見つけ出すことができます。

超音波(エコー)検査

超音波を当て、その反射波から画像を作り、乳房内の断面の様子を調べます。痛みがなく、放射線被曝の心配もないので、妊娠中や妊娠の疑いのある女性でも受けられます。良悪性の鑑別など質的診断に有用です。

マンモグラフィと超音波検査のどちらが乳がんを発見しやすいかは、いちがいにはいえません。病院では2つの画像検査を組み合わせて診断を行っています。

診断を確定するための検査

マンモグラフィや超音波検査で乳がんが疑われる場合には、「細胞診」さらには「組織診」という精密検査が行われ、がんかどうかを確定します。

細胞診

乳房のしこりに細い針を刺し、細胞を吸い取って、それを顕微鏡で調べます。針を刺すとき少し痛みますが、麻酔の必要はなく、患者さんへの負担はほとんどありません。

組織診

細胞診のときより太い針を刺し、病変の一部を組織ごと切り取って顕微鏡で調べます。組織をかたまりで採取できるので、がんかどうかの判断だけでなく、がんの性質や悪性度などもわかります。

乳がんの病期(ステージ)

画像検査や細胞診、組織診などで、乳がんと診断されると、その後、CT検査、MRI検査、骨シンチグラフィーなどの検査が行われ、乳がんの病期(ステージ)が決定されます。

ステージは、がんの広がりや進行度を示すもので、主にしこりの大きさ、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無によって決まります。

こうしたステージ分類は、治療方針を立てる上で、有力な判断材料となります。

主な参考資料

本サイトはがん免疫療法の開発企業テラ株式会社(JASDAQ上場)が提供しています。

テラの免疫療法についてのお問い合わせはこちら
03-5937-2111
WEBからのご質問はこちら
TOP